過去の秘箱
日曜日…私は詩織に会いに行った。
家には行けない、義理父がいるから…。
駅近くの喫茶店で待ち合わせ、私は詩織を待った。
「お姉ちゃん……」
「詩織……」
どうしたの詩織?
泣いているの詩織?
何でなの詩織?
私を見るなり、今までどんなに溜めてきたのかと思えるくらい、詩織は泣き出した。
「詩織…何があったのよ? 彼の事? 」
「徹と別れて……家に帰ってから…それからね……ヒック、ヒック」
言葉が分からないくらい、詩織が泣いている。