過去の秘箱


沙織の風呂上がりの香り、桃のような頬、洗い髪の雫が肩を濡らす……正男は義理の娘、沙織にみとれてしまった。


それは典子に瓜二つだった……。


欲望の一つ、正男の性欲がむくむくと動き出した。


運命をも変えてしまう、この悪戯な欲望。


まだまだあどけなかった沙織……正男の胸の内など読める筈もなかった。


「お父さん、私もう寝るからね」



沙織は子供部屋に入り、襖を閉めた。


消灯して…うとうと眠りの中へ……そこは地獄の入り口……。


沙織の安らかな寝顔…。


どうかこのまま…このままにしてあげて……この少女に地獄なんか見せないであげて~



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