過去の秘箱
34 約束


沙織は、毎月僅かながらに貯金をしていた。


あまり自分の為にはお金を使う事なく、そんな沙織が、まとまった額を出金して向かった先は………。


  呉服屋さん……。


振り袖……そぅ昔々に神社で見た…あの赤、青、黄、紫、金銀の糸が艶やかに織りなされた着物……長い袂ヒラヒラさせて、一度は憧れる女の子の衣装。


沙織は、振り袖一式の支度を買った。


「もしもし詩織?お姉ちゃん、今からそっち行くから待ってて」


沙織は詩織に会いに行った。



< 218 / 221 >

この作品をシェア

pagetop