過去の秘箱


その日の夜も、朝まで机にかじりつき寝なかった。


学校では……眠くて眠くて、授業中は殆んど寝て過ごした。


残るは後1日だ。


明日には詩織が帰って来る。


今夜さえ過ぎれば…今夜さえ……。


あれから正男と沙織は何も話していなかった。


お酒飲んだ勢いだったかも…お父さん自身、後悔しているのかも知れない…なら、もう忘れよう…。


忘れる事は難しいけど、忘れるように努力してみよう。


お母さんがいなくなったせいで、頭がおかしく変になっていたのよね、そうよね、お父さん……もう、あんな事はしないよね。




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