過去の秘箱
6  メリークルシミマス


母が消えてから5ヵ月が経った。


行方は未だにわからない。


もうすぐ、母のいない初めてのクリスマスがやって来る。


詩織が、友達の家でクリスマスを過ごすと言い出した。


それも一泊で……。


友達の親が、母の居なくなった妹を気づかっての事だった。


一泊? やめてよ~
そんなの駄目よ~
触られるだけで済まなくなるじゃん。


詩織、行かないでよ~


私はとにかく猛反対した。


「お姉ちゃん、何で?美穂の家だからいいじゃん?すぐ近くなんだし、何も心配する事ないよ」


「泊まりだなんて、絶対に駄目だからね!」


向きに反対する私に、詩織は泣きじゃくった。



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