過去の秘箱
沙織は、学校で親友の美雪に言ってみた。
「美雪、クリスマスさ、家ね、妹が友達んとこ泊まりに行くんだ、お父さんも、仕事の人と忘年会があって私一人なの……で、一泊だけ泊めてくれない?」
「いいよ、一人なんて淋しいじゃん、家においでよ」
「ありがとう~」
美雪が命の恩人に思えた。
帰ってから、その事を正男に伝えると…。
「お父さん、クリスマスね、私も美雪んとこ泊まりに行くから」
正男の顔色が即座に変わった、ムッとした顔つきを沙織は見逃さなかった。
気にする事はないんだ、良からぬ企み考えているお父さんが悪いのよ。
そうよ…お父さんが悪いのよ。