過去の秘箱
クリスマスイブがきた。
学校は今日から冬休みに入る。
今夜は、私も詩織も一泊で友達の家に行く。
一人になる正男の為に、沙織は夕食のおかずを作っていた。
その時、家の電話が鳴った。
「もしもし沙織?」
それは救世主、美雪の声だった。
「おばあちゃんがね、倒れて病院に運ばれたんだ。で、今からお母さんの実家に一緒に帰る事になったの。そうゆう訳だから、今日は家に呼べなくなったのよ、ごめんね」
ツーツーツーツーツー
受話器持ったまま……その場で沙織の頭の中は空白になった。