過去の秘箱
7 妥協
やがて夜が明けた、正男が仕事に出掛けた時間を見計らい、沙織は家に帰った。
凄く寒かった。
ストーブを点け、こたつに潜り込む。
いつの間にか眠ってしまった。
目が覚めると夕方近くだった、守り神、詩織が帰って来た。
続いて正男も帰宅。
早く夕飯の支度をしなくてはいけない。
冷蔵庫を開け、有り合わせの材料で手早く料理した後、寒気が沙織を襲った。
寒くて寒くて、体は寒いのにおでこは熱い…頭も痛いよ、熱だ……。
食欲もなく、私は一番先にベッドに潜り込んだ。