過去の秘箱


次の日は日曜日だった。


目が覚めると、詩織が心配して、冷たいタオルをおでこに乗せてくれていた。


「お姉ちゃん大丈夫?」


心配はかけたくなかったけど、今日だけは大丈夫なんかじゃない。


と、詩織が立ち上がり言った。


「お姉ちゃん凄い熱だよ。今日は病院休みだから、私…熱冷ましのお薬買ってくるよ。食べる物も買わなきゃ…買い物行ってくるから、ちょっと待っててね」


詩織…ちょっと、ちょっと待って…行かないで…一人にしないで……。


ぐったりした私の細い声は、詩織には届かなかった。


今日は日曜日…お父さんが…家にいるじゃん……その時!




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