過去の秘箱
詩織はまだ帰っていない、詩織じゃない…って事はお父さん?
何で?私は背を向けたまま息を飲んだ。
こんな日までも……。
「沙織、ちょっと起きろ、お粥作ったから」
とお粥を乗せた盆を持ち、父がそこに立っていた。
私はベッドの中で座り、お粥をすすった。
父は横に座り私を見ている。
これは…何ですか?
愛ですか?
愛には様々な種類があり、これも愛と呼ぶのですか?
父に嫌われてない事だけは事実な事で、今、私の体を心配している事は真実……。