過去の秘箱
その日も、私達はラケットを持ち素振りの練習をしていた。
ラケット振りながら、美雪の視線は中谷君に向かっていた。
私の視線も……気持ちがばれないように、チラチラと彼を見ていた時の事!
モノクロのボールが私の視界に迫ってきた!
そこからは何も覚えていなかった。
目を開けると、何処かの部屋の天井が見える。
美雪が私の顔を覗き込んだ。
そこは…どうも保健室らしかった。
「沙織~大丈夫?」
意味が分からない。
「美雪、私何で?こんなとこで寝てるの?」