過去の秘箱


美雪が話してくれた。

サッカーボールを顔面に受けた私は、気絶して倒れてしまったらしい。


それも……中谷君が蹴ったボールで…責任感じた彼が私を背負い、ここまで連れて来たらしい。


 中谷君の背中に?


    嘘?


私は顔が熱くなった……でも全然記憶がないなんて……がっくりな思いだった。


美雪は不満気な顔をして見せた。


「私が、ボールにあたりたかったよ」


二人で保健室を出たら、そこに彼がいた!


ドキドキドキドキドキ


「ごめんよ…大丈夫?」


「大丈夫です…もう全然大丈夫ですから……」


彼はニコッと笑顔残して去って行った。



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