過去の秘箱
心に彼を住まわせ、体は……家に帰れば努めます、詩織の母親役に、お父さんの妻役……。
詩織のいない、父と二人の時間も……私はもう慣れっこになっていた。
涙池の氷は、とうとう鯉の表面まで凍らせてしまいました。
でも…まだ心まで氷は来ていなかった、鯉の心は抵抗しています。
自力で何とか熱を出し、凍らないようにと頑張っています。
それは1日に何回か見る彼の存在……が、この錦鯉の発電所でした。
でも、それも後もうすぐで終業式……発電所が消え失せた時、多分、心の中も全て凍ってしまうのでしょう。