過去の秘箱
「下田の事……前から気になってて…って言うか…好きって言うか……」
といきなりスピードが上がった。
その場の照れ臭い場面から逃げるように、彼は必死にペダルを漕いだ。
振り落とされそうになった私は、腰を持つ手に力を入れた。
私はあなたがずっと好きだったの。
あなたも言ってくれた……私の事が好きだって……。
皆と違うお返しの意味が……今分かったような気がする。
でも…こんな事…信じられなくて……嬉しくて嬉しくて…夢をみてるみたいで……。