過去の秘箱


いきなり目の前で、火花が散った。


大きな手のひらで、私は思い切り叩たかれた。


倒れた私の髪の毛つかみ、振り回す父。


「痛~い!お父さん止めてよ~」


「何で!平気な顔して嘘つくんだ!」


突き飛ばされた私は、テレビで頭を打った。


「美雪? 詩織に電話して聞いて貰ったよ。俺と詩織に嘘ばかりつきやがって、男と会っていたな?今までずっと、そうだろうよ!」


返す言葉はなかった、だって、その通りだから……。


でも本当の事を言ったら行かせてくれた?


行かせてくれなかったくせに……。




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