ずっとずっと大好きな人
「そんなに真っ赤な顔して、潤んだ瞳で見つめておいて……説得力ゼロなんだけど?」



……否定できないかも。

でも。



「そ、そう言う剛だって、顔が赤い気がするけど?」



私がそう言うと、剛が眉間にシワを寄せた。

あっ、図星だ!



「へへっ」

嬉しくなって思わず笑ってしまうと。



ぺチン

おでこを手のひらで叩かれた。



「笑ってんじゃねーよ。……ほらっ、見回りが来る前に帰るぞ!」



剛だって、照れてるじゃん。

そう思ったけど、声には出さなかった。


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