ずっとずっと大好きな人

「もう、十分だろ?」

隣から、剛の声がした。



「うん」

私はもう大地くんの姿が見えなくなったピッチを見ながら、短くそう返事をした。



本人に聞こえてないけど、一生言うはずの無かった告白ができたのは、剛のおかげ。



『剛、ありがとう』……そう言おうと、剛の方を向こうとした時。



えっ?



急に目の前が真っ暗になり、唇に何か触れた。



えっ、えっ、な、何?



思わず目をパチクリした。


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