ずっとずっと大好きな人
視界が明るくなると、至近距離に剛の顔があった。
「スッキリしたなら、これからは正真正銘、俺だけを見てろ……いいな?」
コクン
私は催眠術でもかかったように、無意識に頷いていた。
その一方で、頭の中では必死にさっきの出来事を、試行錯誤していた。
さっき唇に触れたのは……何?
「今、何か、私の唇に……」
思わず自分の唇に触れていた。
すると。
目の前で、剛がニヤッと笑った。
そして……。
「待望の『直接キッス』だろ? 俺達の大事なファーストキスを忘れられたんじゃ嫌だから、もう一回……」
剛のその言葉と同時に、急に意識が覚醒した。