ずっとずっと大好きな人

「ふざけないでよ！」



愛子が怒鳴って、自分の顔に触れている俺の手を払い除けようとした。

だけど、もう誤魔化す気もない俺は、逆に愛子の手首を掴んだ。

愛子は拗ねたように、視線をそらした。



なぁ、愛子。

本当はおまえだって、どうにかしたい……って、思ってるんだろう？

誰か他の人を好きになれればいいのに……そう思ったりするんだろ？



『他の人』じゃなくて、俺を好きになれよ。

俺ならおまえが淋しい思いをしないように、いつでも傍に居てやるよ。



俺がそんな事を考えてる間、愛子も何か考えているようだった。