ずっとずっと大好きな人

その後、ピッチから完全に日高の姿が見えなくなるまで、愛子は黙っていた。



もう大丈夫かな?

俺はそう思って愛子に声を掛けようとした。

だけど。



「大地くん、ずっとずっと大好きだった」

噛み締めるように、愛子が呟いた。



「もう、十分だろ?」

さすがに俺は耐えられなくなって、そう言った。



今は違う……と分かっていても、やっぱり連呼されると、俺の存在を忘れられてるような気がした。



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