ずっとずっと大好きな人
私は放課後、図書室へ行こうと教室を出た。

すると。



「おい」



えっ?

後ろの方から声がして振り返った。



あっ……。

隣の教室からスポーツバッグを持った剛が、私に近付いて来た。



「……何?」

なんだか分からないけど、剛を見ていると胸がザワザワして落ち着かなくて、私はプイッと視線をそらして訊いた。



グイッ

そんな私にお構い無しで、真正面に回り込み顔を覗き込んでくる剛。



ドキッ

ち、近いよ、顔が!


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