キミを忘れない
「あたしの彼氏…今はもう
この世にいないけど…。」
そう、今はもう、いないんだ。
自分で言ったくせに、妙に
寂しい気持ちになる。
そこまで思って、そういえば
りくの声がしないと思って、
顔を上げる。
「っっ!!!!」
そこには、悲しそうな顔をした
りくがいた。
『悪い…俺、なにも知らないで
無神経なこと言って…。』
この人、いい加減そうに
見えて、意外とちゃんと
してるんだ…。
まともな人だと知って、
思わず笑ってしまう。
「プッ。」
『なんで笑うんだよっ!?
笑うところぢゃねーだろ!?』
りくはそう言って怒ったけど、
あたしは笑いが止まらな
かった。