キミを忘れない


『ん?どうした…?』

聞かれて、我にかえる。

「半年前からって…」

ん?
半年前って、まだ優介が
生きていた時だ。
そんな頃からどうして…。

『半年前にさ、偶然この
屋上で見つけたんだ。
舞はこの屋上に一人でいた。
そん時、舞を初めて見て、
不思議な雰囲気の女の子だな
と思った。』


りくの言葉を聞いて、記憶を
一気に半年前まで巡らせる。

半年前…
あたしは一人で屋上に…

だめだ、屋上なんてしょっちゅう
来ていたから、覚えないや。


「覚えてないよ…。
しょっちゅう来てたから…」

困ったようにそう言うと、
りくはまた笑った。

『覚えてなくて当然だよ。
そん時、舞寝てたし。』

寝てた!?
そういえば、ここに来る時は
優介とがほとんどだったけど、
たまあに一人で来ることも
あったっけ…?

うっすらと記憶が蘇る。
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