キミを忘れない
朝ごはんを食べて準備を
済ませると、ちょうど
家を出る時間だった。
玄関のチャイムが鳴る。
「いってきまーす!!」
「いってらっしゃい!!」
お母さんが笑顔で見送って
くれる。
家を出ると、葵が笑顔で
手をふってくれた。
「おはよっ♪」
ほんと、葵の笑顔には
いつも支えられていると思う。
葵の顔を見ただけで、
優介を失って凍りかけた心が
優しく溶けていく。
「おはよー♪」
あたしも笑顔で手をふる。