ね、先生。
お母さんが慌てるようにキッチンから玄関へと走った。

インターホンを無視して、

玄関の鍵を開け、

ドアを開く。



「・・・沙織・・!!」


お母さんの、おネエを呼ぶ声は悲鳴にも聞えた。
それぐらい心配してた事が分かった。。。


私がゆっくりと玄関へと向かうと、

涙目で玄関に立ってるおネエの奥に、

大きな人影が見えた。



「・・・こんばんは。担任の渡部です。」


この時初めて、私は渡部先生-おネエの好きな人-に会った。


「・・せ、先生?」


おネエと先生の関係を知らないお母さんは、突然の先生の登場にただ驚いた様子だった。



「あの、、、。
 実は、僕の車で沙織さんを送ってる途中に事故に遭いまして・・・、警察などの手続きをしていたら遅くなってしまいました。」


申し訳なさそうに話す先生に、お母さんは


「送って・・?
 あの、、家の中で話しませんか?」


驚きながらも、さっきおネエの名前を呼んだ時とは違い、冷静な口調で言った。
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