ね、先生。
おネエと先生は家に上がり、リビングへと向かった。

私はお風呂に入るのをやめて、パジャマを握りしめたまま同じくリビングへと向かった。

そして、お母さんに代わってキッチンでお茶を入れる。



「あの、、事故って･･･」


先生にお母さんが聞く。



「･･はい。」

先生は申し訳なさそうに話し始める。



･･･先生によれば、
今日の放課後、午後６時におネエは先生の車に乗り、学校を出たらしい。
途中ドライブをしながら、午後７時過ぎに家に辿り着く予定だったけど、信号待ちをしていた時に、後ろから追突され事故に遭ってしまい、警察を呼んで現場検証などをしてたら、こんな時間になってしまったらしく･･･


「･･･本当に申し訳ございません。」

「･･そうだったんですか。沙織、怪我は？」


話を聞き終わったお母さんは、優しくおネエに聞いた。


「だ、、大丈夫、、。」


おネエは震えるような声で答えた。



事故自体は、車に少し傷が入った程度で、おネエも先生も怪我した様子はなかった。




だけど。



「･･･で、先生。」


お母さんの声が少し低くなった。
おネエはこの声のツヅキが分かっていたからこそ、多分涙目だったんだろうと思った。


「どうして、･･･沙織を送って下さろうとしてたんですか？」



部屋の空気が重くなったのが、１５歳の私でも分かった･･･。
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