ね、先生。
セミの声
掃除の時間。


今日は図書室の掃除だった。
図書室は職員室の裏に、図書館の建物があった。
そこを二班で掃除する。




「図書館担当って掃除場所広くない?」


里美が、やる気なさそうな声で話しかけてくる。


「まぁまぁ、、。」


私は苦笑いをしながら、ほうきで図書館の入り口を掃いていた。
その時、


「葵に、倉木?」


渡部先生が掃除をしてる私達に気付いた。


「今日、お前らなんだ。当番。」

「はい。」

「もうさ、広くて最悪。」


愚痴を溢す里美を、先生と一緒に苦笑いする。


笑った後、先生の視線が私へと移る。


「あぁ、葵。
 今日の部活なんだけど、、」


私は思わず少し視線をずらした。


「あ。ゴメン、先生。 今日早く帰らないといけないんだった!」

「あぁ、良かった。 俺、会議入っててさ。生徒会の。
 じゃ、また明日だな。」

「は、はい。///」

「じゃぁな。倉木、がんばれよっ!!」


私は、去って行く先生にやっと視線を合わせることが出来た。
それを隣で見ていた里美は、持っていたほうきの枝をカツンと私のほうきの枝にぶつけた。


「青春だね~。」


里美がそう言って笑った時、


「あの~・・・、桜井さん?」


私達の後ろから、聞いた事のない声が私の名前を呼んだ・・・。
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