ね、先生。

沢田くんが走って去った後、


「なーんか楽しくなりそっ。」


里美が私の耳の側で囁いた。


「な、何言ってんのっ？！」


里美は目を細めて、


「だ～ってアレは確実に告白でしょ？　放課後とか、明日まで待たずに、今ここでやっちゃえば良かったのにっ。　フフフ。」


わざと意地悪に言う。


「え、えっ！
　でも、私沢田くんのこと何にも知らないしっ、、。」

「えっ？！
　あんな有名な沢田くんを知らないのっ？！」

「ゆ、有名？！」

「元々ここの学校よりはるか上の高校を受けようとしてたらしいんだけどね、わざわざ願書ギリギリで志望校変更して一般で入試受けてさぁ、トップで受かってんだよ。彼。」

「えっ？！　何でわざわざッ？！」

「さぁ、、それは知らないけど･･･。
　しかもこの前の学期末テスト、ほぼ満点だったらしいよっ。」

「そ、、、そんな人が私なんかに何の用･･･？」

「だから、告白でしょ～！！」


里美はニコッと笑った。