ね、先生。
 
「・・・ハァァ、、ごめん。」


大きな溜息を吐いた後、先生の腕が少しずつ離れていく。



突然の出来事に、

熱で働ききれていない私の神経達が、少しずつずれて脳へと伝えてくる。


・・・ダキシメ・・ラレタ・・?


「・・・。」


そして、遅れて恥ずかしくなる、、。



「ごめんっ!
 ・・・お前が目の前で倒れてさ、、、生きた心地しなかった。
 神田先生にさ、大丈夫だって言われてもさ、、、。」

「・・・神田?」

「ん?
 あぁ、知らないのか?名前。 保健室の先生の名前が、神田先生。」

「あぁ、、。」

「何度も授業始まりますよっ!って、怒られた・・・。ハハ・・。」


先生の苦笑いする顔が、

自分のことを本当に心配してくれてたしるしのようで、嬉しかった・・・。




「もう、無茶すんなよな。」


先生はそう言って、私のおでこをコツンと指で弾いた。


「・・・んー、イッタァー!!」

「あぁ、ゴメン。 まだ熱あったんだったな、、。 ゴメン。」

「・・・プッ。」

「・・・フフ。」


そして私達は笑った。

二人っきりの保健室で。
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