ね、先生。
午前の練習を終え、

テニスコートの端の木陰で、みんな各自で持参したお弁当で昼食を摂る。


沢田くんに誘われ、私も木陰へと移動し、お母さんの作った大きなおにぎりを一口パクついた。

渡部先生は、真鍋先輩と何か話してた。

そんな様子を見ながら、二口目を口に運ぶ。



「今日さ、夜に肝試しがあるんだよね?」

「ん?あぁ、夜だよね。」


沢田くんが話しかけてきた。


「さっき真鍋先輩から聞いたんだけど、くじで決めるらしい。 ペアを。」

「ペア?」

「うん。男女ペアで行くらしいよ。
 で、男が先生入れても一人足りないから、真鍋先輩が2回いくって。」

「ふーん・・・。」


話を聞きながら、ちょっぴり期待した。
先生とペアになれないかな?って・・・。


「・・・一緒に行けたらいいな。 ・・・さんと。」


沢田くんがポツリと言った。


「・・・え?」


私が気付いた時、


「ごめーん、みんな!!」


真鍋先輩が、みんなに向かって話し始めた。


「ご飯中だけど、ちょっといい?
 今からクジ持って回るんで、引いてくんない? 肝試しの!」


真鍋先輩の声に、

少し周りがざわついた。
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