ね、先生。
みんながお弁当を食べてる所へ、先輩がクジをいれた箱を2つ持って回る。
箱が2つあるのは、男用と女用らしい。


「ところで、、肝試しって、どこでするの? 校舎の中とかを歩くの?」


ふと思った疑問を沢田くんにぶつける。


「あぁ。
 なんかね、ウチの校舎の裏に竹やぶあるでしょ? あそこへ行くみたい。 ろうそく1本で。」

「そ、そうなんだ。」


クジの順番に少し時間がありそうな私は、又おにぎりを口へと運んだ。


「美味そうだなー。 お前の。」


そう話してる、渡部先生の声がした。


「おーぃ。
 そのおにぎり、美味しそうだなー。」

「・・・? おにぎり??」


私は、思わず周りをキョロキョロと見てから、渡部先生と目やった。


「お前だよ、葵。
 美味そうな、おにぎり食ってなぁ~ッ。」

「・・・私?」

「あぁ。」


先生が少しずつ近付いてきた時、


「お母さんが作ったんだけど、たべ・・・」

「先生! オレのパンなら余ってますけど!!!」


私がおにぎりを一つ先生に差し出す前に、沢田くんが先生にパンを差し出した。
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