ね、先生。
「次~、13番!!」
呼ばれて私が前に出ると、驚いた顔して沢田くんは前に出てきた。
「・・・一緒だったんだ・・。」
「・・う、うんっ。」
-本当は交換したけどね。-
内心そう思いながら、ろうそくを沢田くんに預け、私達はスタートした。
正門を左に出て、一番最初の角を左に曲がる。
すると、すぐ目の前には竹やぶが広がる。
この竹やぶ。学校の裏に住んでいるおじさんの持ち物らしく、このおじさん、ウチの高校のOBらしく、ウチの高校生なら竹やぶ内を出入りしても怒らなかった。・・・一般人には厳しいって聞いたこともあるけど。
竹やぶの中は、昼間に里美と何度か通った事があった。
コンビニに行く時の近道になったから。
昼間でも薄暗い場所で、道は根っこが所々浮き出ててゴツゴツしてたのを覚えてる。
「・・・なんか薄気味悪くない?」
竹やぶに入って、私は沢田くんに話しかけた。
「そう? ・・・桜井さんと一緒だから、全然。」
「・・・。」
ザザザザーーーッ。
たまに風に吹かれて、笹が揺れて起こす音が、余計に怖かった・・・。
「・・・ホラ!!コワッ!!!」
私がそう言った時、
「・・・怖くないって。」
沢田くんは私の右手を掴み、自分の胸元へと私を引き寄せた―。