ね、先生。
3分ぐらい過ぎてからだろうか?

14番のペアが返ってきた後、


「あぁ、沢田! ・・・ん? お前一人?」


ゴールした沢田に話しかける上田に気付いた。

オレは慌てて、その場に駆け寄り、


「・・・葵は?!」


沢田に問いただすように聞いた。

そして、沢田は話しにくそうに答え始めた。


「・・・竹やぶの中で、はぐれて。 ・・・探し回ったんですけど、いなかったから、、、先にゴール・・してる・・・」

「はぁ~?
 それでお前一人で帰ってきたのかよ?! ふざけんなっ!!」


オレは沢田の話の途中で、左手で、沢田の胸座を掴んでいた。

上田が慌てて止めに入って、


「先生っ!!今は、桜井を、、!!!」


その言葉に、


「バカヤロー・・・」


手の力を抜いた。




「・・・上田、後頼むわ。 探してくる!!」


オレは正門を飛び出し、

葵のいる竹やぶへと走って向かった―。
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