ね、先生。
 
「葵~!!大丈夫ーー?!」


車が停まってドアを開けた瞬間、聞きなれた声が聞えてきた。


「・・・さ、里美?!」


声の方へと体ごと振り向くと、夏休みなのに、制服を着た里美の姿があった。


「もぅ!!心配したわよ~!!!」

「な、なんで?」

「なんでって、なに?」

「いや、どうして里美がここに居て、心配してるのかな?って・・・」

「あぁ、昨日。 連絡もらってたの。 沢田くんに。」

「え?」

「メアド交換してたんだ。 葵が風邪で休んでる時に。」

「そ、そうなんだ・・・。」


里美は、私の肩をグィっと引き寄せて、耳元でささやいた。


「葵が怪我した原因の、沢田くんとの件ももちろん聞いた。
 任せといて! 私が調教しておくから。 彼ね、IQは高くっても、恋愛偏差値は低いみたいだからっ。」


私は、その言葉に苦笑いをするだけだった・・・。
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