ね、先生。
さよならの季節。
暖かい季節を待つ桜達の下をくぐり、

私は学校に向かっていた。



今日は3月1日。

真鍋先輩達3年生の卒業式だった。


3学期に学級員をやっていた私は、卒業式に雑用の係りで朝早くから呼ばれていた。




「はい。じゃ、この机をこっちに並べて~。あぁ!一年生は来賓のイス足りないからもっと運んできて!!」

「「はい!!」」


お洒落に正装した先生達が指示をする。
その指示に従い、私達はイスを運ぶ。


「めんどくさい・・・。
 なーんで私が副委員になったんだろう~? 3学期に。」

「まぁまぁ。」


愚痴を溢す里美を宥めながら、イスをセットする。


「あっ、里美に桜井~。そっち終わった?」

「あ、沢田くん。おはよ。」

「・・・なんか機嫌悪そうだね。里美。」

「うん。そうなのー。
 またさ、いつものめんどくさい病。」

「ハハハッ。 里美らしいや。」


里美と沢田くんは付き合い始めた。3学期が始まってから。
それから、沢田くんは里美の事を呼び捨てにしてる。そして、私の名前も『サン』ナシで呼ぶようになった。
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