ね、先生。
部活はいつもと変わらなかった。
そう。テニスをしている間は―・・・。



部活が始まって約3時間後だったと思う。



「部長、そろそろ球が見えなくなってきたんですけどー。」


3年の先輩が部長に向かって言った。


「あぁ、じゃぁ、片付け、始めて。
 ・・・おかしいなー。渡部先生が来るって言ってたのに、、、。」


部長がそう呟いた後、校舎の方から人影が2つ見えた。

その人影に、


「先輩。あれじゃないですか?先生。」


沢田くんも気付いた様で、部長に教える。


その二つの人影は、だんだん私たちのいるテニスコートへと近付いて、やがて、鮮明に誰か分かった・・・。


「・・・え? 何で? ・・・はっ?」


私は心の中で呟いたつもりの言葉が声に出てしまい、思わず自分の口元を隠した。
< 213 / 278 >

この作品をシェア

pagetop