ね、先生。
 

「はい!みんな注目!!
 片付けやめて、一度集まって~!!」


部長がみんなを一ヵ所へと集める。

みんなが集まったところで、影の一つだった渡部先生が話しだす。


「あの、知ってる人もいるかも知れないが、今まで部活の顧問をしてくれてた小泉先生が昨日から産休に入られた。 妊娠中って事もあって、部活には参加をされていなかったが、試合の手続きとかしてくれてた先生だ。 で、その小泉先生の代わりに新しく顧問についてくれるようになった先生を今日は紹介します。
 ・・・じゃ、自己紹介どうぞ。」


渡部先生は話し終えると、もう一つの影へ「どうぞ」と、合図する。


「・・・初めまして。
 今日から新しくテニス部の顧問になった、田口といいます。 テニスは初心者なので、一から教えてもらえると嬉しいです。 よろしくね。」


そう言って、軽く頭を下げる田口先生。

頭を起こす時、私は軽く微笑んだ田口先生と目が合う―。


「じゃぁ、そういうことでっ!
 あと、今年の合宿は中止なッ。 夏休み、体育館の工事などで、車の出入りが多いから、部活自体ちょっと厳しいかも?その職員会議がまだ残ってるんで、後はヨロシクな。」


渡部先生は部長にそう告げると、


「さ、戻りましょうか?」

「・・・はぃ!」


田口先生と校舎の方へと戻って行った・・・。
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