ね、先生。
荷物を片付け、


「「「お疲れ様でした!!」」」


部活が終わり、タオルとラケットを抱え、私は手洗い場へと向かった。



 ・・・ジャーー。


蛇口から流れる水を見つつ、自然と瞳にたまってくる涙が零れる前に、顔を洗った。


 “・・・なんで?
  なんで、代わりがあの人なの?”


そう心の中で呟きながら、何度も顔を洗う。


「・・・桜井?」

「・・・・・・沢田・・くん・・・。」

「・・・大丈夫?」


沢田くんに気付かれないように、タオルで口元を隠しながら、


「・・・んっ?
 ・・・大丈夫だよ。 何が?」


私は作り笑いをしながら答えた。
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