ね、先生。
数分後―。


「お待たせしました~。」


運ばれてきたドリアに、スプーンをさし、口の手前で一息吹いて、口の中へと運ぶ。
そんな私を見ながら先生が呟く。


「・・・どうした? 何か今日元気ない?」

「・・・そう?」


スプーンを口からまたドリアのお皿へと戻す。


「んー?
 倉木とケンカでもした?」

「・・・ううん。 してない。」

「じゃぁ、、また何かされた? 矢部とか・・・」


私はその言葉に“ノー”と、首を横へ振った。


その後、

食事を終え、車で先生は家の傍まで送ってくれた。



シートベルトを外し、


「・・・ありがとう。」


そう言って、車のロックを外そうとした私の右手を、先生は掴んだ―。
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