ね、先生。
更衣室で着替え、自転車置き場へと向かうと、先に沢田くんが部活の様子を里美に話していたようで、


「おまた・・・」

「葵~!!
 超ムカツクんだけど、アイツ!!!」


里美は、私の言葉を遮って話しかけてきた。


「イヤァーーーー!!
 もう、なんなの? ア・イ・ツ!!」


里美は自分の事のように、足をジタバタさせながら怒る。


私はその里美姿を見て、さっきまで苛立ってたはずのココロが、不思議と少し落ち着いた。


「・・・ぷっ。 まぁ、まぁ、まぁ、、。」

「まぁって、、そんな暢気にしてていいの?!
 渡部先生も渡部先生だよ! はっきり断ればいいじゃん! あんなヤツの誘い!!」

「・・・くす。」

「もぅ、、男ってそういうもんなの? ノーって言えないの? プィって無視すりゃ・・・ぁ。」


里美が会話の途中で止まった―。
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