ね、先生。
あの日は真っ直ぐに家に帰った。

黙って、部活もサボった。


家に帰ると、お母さんに


「・・・ただいま。」

「あら?今日、部活は?」

「・・・。」

「そうそう、今日、隣のおばさんから聞かれたの! 葵が年上の人と付き合ってるんじゃないかって。 車から出てくる葵を見たとか、、。 ね!聞いてる?!」


と、言われた。


私は無視して、部屋に閉じこもった。

鍵を掛けて。



晩御飯もお母さんが呼びに来たけど、私は次の日のお昼まで部屋を出なかった―。



携帯には、里美と沢田くんの着信が交互に入ってた。

里美は家にも電話してくれてたみたいで、部屋を出た後、お母さんに言われた。


お母さんは部屋に閉じこもってた事、何も聞いてこなかった。



お父さんには

「・・・葵、もう大丈夫なのか? 体調。」

と聞かれ、

お母さんがそう話してくれてた事に気付いた・・・。
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