ね、先生。
課外授業が終わり、

クラスメイトが足早に帰宅するのに反し、私はまだ教室から出ようとしなかった。



「・・・帰らないの?」


里美の問いに、


「・・・うん。ちょっと・・・。」


そう答え、

職員室側の窓から、先生の車が停めてある方へ覗き込んだ。



「・・・今日って、、あ、そっか。」


私の様子に、里美は何かを気付き、


「私、先に帰るね。」


そう言って、里美はカバンを握りしめ、笑顔で軽く手を振って先に教室を後にした。



クラスメイトに里美が帰った後、

しばらくして

静かな教室で、

カバンの中のプレゼントを確認してから、

私は、自分のカバンを握りしめた。
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