ね、先生。

先生のスピーチの間。

先生とは、ずっと目が合ってた気がした。

体育館を去っていくまで、私はずっと先生を目で追いかけた―。



先生の最後の言葉。

「君たちは何時までも僕の最高の生徒です」

この言葉が、私には重くココロに響いた―。





始業式が終わり、体育館から教室へと戻る途中、階段で田口先生と会った。

田口先生は私たちに気が付くと、数段上の階段で立ち止まり、


「･･･フン。」


と勝ち誇った顔をして笑った。




「･･･ア、アイツ、、、！！」


それにカーッとなった里美が田口先生を殴ろうと階段を駆け上がろうとするが、私は、里美のブレザーの裾を掴んだ。


「･･･葵ッ？！」

「･･･やめて。」

「だって、アイツ！
　後ろから蹴り入れてやらないとッ！！」

「いいからッ！！　･･･やめて？」



里美は振り上げた握りこぶしを、堪えるように降ろした。