ね、先生。
あの日から

美加は私を部活前に迎えに来ることは無くなった―。


そして。

美加だけじゃなく、明らかに他の同級生のテニス部員の態度が変わった。。。



「じゃぁ。
 一年は二人ペアで、リターンの練習やって!」

真鍋先輩が私達に指示する。

もちろん美加は私以外の仲間とペアを組み、コートへと向かって歩いていく。



「・・・ん? 桜井どうした?」

ぼーっと立ち尽くす私に先輩が気付く。

「あぁ、ごめん。
 一年って、今日7人だっけ?ペアにしたら一人余るんだよな。
 気付かなくって、ごめんっ、、。」

「いや、、。」

先輩の言葉に、私は次の言葉が詰まった。


「・・・じゃ、オレとやろっかっ?」

先輩はニコっと笑って、ポケットから取り出したボールをラケットの上で弾かせた。
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