ね、先生。
「なに葵、ダンゴムシになってんの?」


里美が定食を受け取って、席に戻ってくる。




「で、何で先生がここに居んのっ?」

「・・・。
 冷たいなー、お前ら(苦笑)」


ゆっくりと私が顔を上げると、


「・・今日は部活ちゃんと行けよ。」


渡部先生が言ってきた。


「しつこいよ、先生。」

「しつこいって何だよ。
 オレはお前の顧問なのっ!!」

「・・・。」


里美は黙って私の前の席に座り、割り箸を割った。


「今日は行きません。
 いや、今日も、明日も、明後日も。」

「はっ?何で?
 また、、お母さんか?」

「違いますぅー。」

「じゃぁ何だよ。」

「もう、先生しつこい。」

 -先生なんかに、
  先輩の事で
  美加とマズイ状況になってるなんて
  言える訳ないじゃんッ!!!!-


そう私が心の中で呟いてると、里美がフォローしてくれる。


「先生、早くしないと定食売り切れるよ?」

「あ、そうだった・・・。」


先生は慌てて席を立ち、


「葵!
 とにかくオレは今日部活に行くからなー!来いよっ!!」


そういい残して長い列の最後尾へと走っていった。
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