ね、先生。
しばらくして、結局学校に残っていても何も用事が無い私は、帰ることにした。



下駄箱から靴を取り出し、上履きと履き替える。

外に出て空を見上げると、今にでも降りだしてきそうな雨雲が一面を覆ってた。


自転車置き場へと進んでると、


「桜井・・・?!」


後ろから声を掛けられる。


「・・・先輩・・。」

「ぶ、部活、、、来ないの?」

「・・・。」


目を逸らす私に、


「またさ、一緒にボレーとか練習しようぜ。
 オレ、一緒に付き合うからさっ。」

「・・・。」

「遅くなると困るなら、みんなより早く上がってもいいし。
 オレ、送っていくからさ、、。」


優しい先輩の言葉に、

先輩へと視線を合わせようと顔を上げると、

先輩の後ろには、美加が見えた―。



「・・・ごめんなさい。帰らないといけないんで、、。」


私は逃げるように、その場を立ち去った。
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