ね、先生。
職員室の中でずっと待ってても仕方がないので、職員室を出ると、窓越しに一台の白い車が入ってくるのが見えた。


「・・・あ。」


運転してるのは渡部先生だった。



私は車の方へと駆け寄り、


「おはようございます、渡部先生。」


と、気持ち大きな声で話しかけた。



先生は車のドアを開け、


「おぉ、葵。おはよう。
 何、お出迎えの為に待ってたのか~?」


相変わらずな発言をする。


「違いますっ!」


キッパリと返事を返す私に、渡部先生は苦笑いをしながら車のエンジンを切って、


「で、なんだ?」


と、聞いてくる。


私は手に握りしめてた退部届けを黙って先生へと差し出した・・・。
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