ヤクザ×極道娘



「あっ…自分でやるよ」


「ん」


あたしは短く返事して、美月に氷を渡し、机にもたれて腕を組んで立った。



遠くでHRの終わりを告げる、チャイムが鳴った。


「戻ろうか?」


「うん」


片足でピョコンと立ち上がる、美月。


「…あ、それじゃ冷やしながら歩けないね。ちょっと待って」


あたしは冷凍庫から保冷剤を取り出し、自分のハンカチを巻いて美月の足に括りつけた。



「これで大丈夫っしょ?」


「ありがとう。…ふふっ、上野くんみたい」


友輔?


…あ、喋り方ね。


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