ホットミルク
FROM 優美
あたしの親は授業参観にも来ないし、
アルバムだってあたしの写真なんかまともにないと思う。
あたしは、愛なんか信じない。
リビングのソファーはあたしの何倍もある
大きさで、
座ると孤独を感じる。
そして、
目の前にある50インチのテレビも。
大きい庭も、
広すぎるこの家が
‘お前は孤独だ’
と言ってるみたいで心細くなる。
あたしは何?
なんのために生きてるの?
どうして・・・
どうして・・・
あたしは生まれてきてしまったの?
ピーンポーン
はっと我にかえる。
カメラ付きのインターホンが花音を映す。
「ヤッホー♪花音だよ!あけてぇー」
「うん、今あけるね」
ボタンを押して門を開ける。
門から玄関までまた少し距離があって
疲れる。
ピンポーン
2度目のインターホンが鳴る。
ちょっと疲れてる花音が映し出される。
「優美さぁー、家広すぎ!!」
「ゴメンネ・・・。今開ける。」
と言って玄関に向かった。