バレンタイン大作戦
「……わたしに対しても?」
「それはお前次第」
斗稀がポンと頭に手をおいて、笑顔になる。
……甘いじゃん。
完璧に。
「あ、ていうか、今年は誰からもチョコを受けとらないんじゃなかったの?」
「誰からももらってねーよ。全部断った」
「うそ、ひどーい!」
「……お前は……じゃあ、誰かからもらってもよかったのかよ」
飽きれたように斗稀がわたしを見る。
「よくはないけど……」
「とりあえず、莉奈のを取りに来たわけだし?
オレはウソついてねーかなら」
そう正当化した。